インチュニブ・ダソトラリン:ADHDの新薬開発が相次いでいるという話。


インチュニブ(一般名:グアンファシン塩酸塩徐放錠)という新薬が、いつの間にか日本で投薬可能になっていたようです。

インチュニブ

投薬対象

今回、投薬対象として認められたのは、原則として6歳から18歳までの子どもだけ。
ただし、18歳になるまでに投薬を開始して有効だった子どもについては18歳を超えても投薬OKとのことです。

コンサータやストラテラも認可当初はこういう形でしたから、インチュニブも成人に適用対象が拡大される可能性はありそうです。

インチュニブの作用機序

有効成分は「グアンファシン」といって、α2A受容体を刺激して交感神経を抑制する効果があります。血管が拡張して心拍数と血圧を下げるので、もとは高血圧の降圧剤として使われていたそうです。

で、この「交感神経を抑制する」というのがADHDのハイパーアクティブさに効くということから今回の適用に至ったようです。過活動にある脳の興奮を抑えて、多動性、攻撃性、衝動性を抑えるということですね。

しかしこれ、元気が良すぎて多動が目立つ人にとっては、ちょうどいい具合に穏やかになって良いのでしょうが、心ここにあらずな不注意優勢型のADDにとっては、ぼーっとしてしまって、却って逆効果になりそうな気がしますね。

インチュニブの副作用

傾眠(ぼーっとするのだから当然ですね)、血圧低下、頭痛が副作用。

低血圧の人は投薬は特に慎重にとのこと。

参考サイト

Dr.きょうのぼちぼちブログ : ADHD新薬 インチュニブについて

 

その他アメリカで開発中の新薬たち

ダソトラリン

一方、海の向こうのアメリカでは、ADHDの新たな薬がまもなく認可されそうな動きがあります。

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、ドパミン・ノルエピネフリン再取り込み 阻害剤 dasotraline(一般名、開発コード:SEP-225289、以下「本剤」)の成人および小児の注意欠如・多 動症(ADHD)を対象とした新薬承認申請(NDA)が、米国食品医薬品局(FDA)によって受理された
http://fs.magicalir.net/tdnet/2017/4506/20171112416489.pdfより

FDAとはアメリカの医薬品やサプリメントの品質と安全を保障するための認可局。
認可を受けるためにはこれから実施されるFDAの審査を通過しなければならないようです。

センタナファジン

その他、今年の三月に大塚製薬が買収したNeurovance社では、ADHDの治療薬「センタナファジン(EB-1020)」の開発に取りかかっているそうです。
こちらはノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬だそうで、体感はノルアドレナリン再取り込み阻害剤のストラテラと似たような感じになるのでしょうか。

選択肢が増えるのは楽しみです。

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