高すぎる発達障害の薬代を下げる!自立支援医療制度をみんな使おう

コンサータ18mg1錠の薬価は337.8円。
ストラテラ40mg1錠の薬価は461.2円。
ADHDの薬、高すぎます。

三割負担でも、朝晩飲めば薬代だけで軽く一万円を超えます。

これを安くするための国の制度があります。発達障害だけでなく、うつ、統合失調症の方など、精神科に通院する方なら広く利用できます。せっかくの制度なのに意外と知られていないらしくもったいない!と思ったので、今回は自立支援制度についてまとめました。

自立支援医療制度とは

制度の概要

健康保険に入っていれば、医療費は3割負担、つまり本来の料金の30%だけ支払えばよい(残りの70%は保険組合等が支払ってくれる)のが原則です。
一定の病気については、3割負担でも高すぎるということで、これを1割負担に減らしてくれる制度がります。これが、自立支援医療です。

制度の種類

自立支援医療には

精神通院医療(一定の病気による精神科への通院)
更生医療(身体障害者)
育成医療(児童)

の3種類があります。
発達障害の方は、このうち「精神通院医療」の適用を受けることになります。

自立支援医療を利用するメリット

医療費負担の軽減

医療費の負担割合が、原則10%に軽減されます。
さらに、所得が低い世帯には自己負担額の上限を設けます。毎月の自己負担額が次の金額を超えたときには追加料金を払わず受診できるということです。

・生活保護世帯の方なら、0円
・市町村民税非課税世帯で障害基礎年金2級(月6.6万円)のみ受給程度の収入の方なら、2,500円まで
・市町村民税非課税世帯の方なら、5,000円まで
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushienhou04/

例えば月額5000円が上限であれば、5000円を支払った月にはそれ以上の薬をもらっても追加料金を支払わなくてよいことになります。

さらに、所得が低くなくても、症状が重く長い間通院している人には、月額当たりの上限を設けてくれます。これにあてはまる場合を「重度かつ継続」と呼んでいます。
どのような場合に「重度かつ継続」にあたるかについて行政が指針を出しており、これにしたがって決められます。現在は、①統合失調症、双極性障害、うつ病、転換、認知症、薬物依存症などの人、②3年以上の経験がある医師が継続的・集中的な通院治療が必要であると認定した人、などが「重度かつ継続」に当たるとされています。
制度の適用を考えたときは、自分が「重度かつ継続」にあたると認定してくれるかどうか、まずご自分の医者に相談してみてください。

重度かつ継続にあたるとされれば、医療費の月額負担の上限額が次の通りになります。

・市町村民税課税で市町村民税額(所得割)が2万円未満の世帯の方なら、5,000円まで
・市町村民税額(所得割)が2万円以上20万円未満の世帯の方なら、10,000円まで
・市町村民税額(所得割)が20万円以上の世帯の方なら、20,000円まで
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushienhou04/

なお、「重度かつ継続」の指針は平成30年4月に見直されます。

自立支援医療を利用する方法

対象となる疾病

精神保健福祉法第5条に定める病気の治療のみが対象となります。

精神保健福祉法第五条 この法律で「精神障害者」とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。

・・・うん、わからん。
厚労省のウェブサイトにもう少し詳しく書いてありました。

5 対象となる精神疾患
(1)病状性を含む器質性精神障害(F0)
(2)精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)
(3)統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害(F2)
(4)気分障害(F3)
(5)てんかん(G40)
(6)神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)
(7)生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(F5)
(8)成人の人格及び行動の障害(F6)
(9)精神遅滞(F7)
(10)心理的発達の障害(F8)
(11)小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F9)
※(1)~(5)は高額治療継続者(いわゆる「重度かつ継続」)の対象疾患
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html

「発達障害」とは書いていませんが、「10 心理的発達の障害」に該当するのだと思います。この分類なら自動的に「重度かつ継続」にも当てはまることになりそうですね。
※素人の意見です。お医者に確認してくださいね。

安くなる医療の範囲

上記の疾病の外来治療、薬代、デイケア、訪問看護が対象となります。
入院は対象外です。
また、医療保険が使えない治療(病院以外でのカウンセリング)は対象外です。

自立支援医療の利用手続

受給までの流れ

通院している場合は、まず先生に相談しましょう。必要書類を教えてくれます。
まだ通院していない、あるいは病院を変えたい場合は、地域の保健所かお住まいの市区町村の障害福祉課に電話して必要書類を教えてもらいましょう。
必要書類を記入して揃えたら保健所や病院などに提出します。
その後、行政が審査します。問題が無ければ1ヶ月程度で審査が終わり、自立支援医療を利用できる証の「受給者証」が届きます。
以降、一年ごとに更新します。

必要書類

申請書(自立支援医療支給認定申請書)

お住まいの地域の市町村役場でもらいます。病院に置いていることもあります。

診断書

通院している病院の医師に診断書を書いてもらいます。
自立支援医療のための特別の様式があるので、「自立支援医療のために診断書をかいてほしい」と伝えましょう。
精神障害者手帳を持っている場合は診断書は不要となるようです。
自立支援医療を継続して受ける場合も、診断書は2年に1度必要になります。

同じ世帯の所得を示す書類

課税証明書、非課税証明書、生活保護受給証明書などです。

健康保険証

マイナンバーが確認できる書類

通知カードなどです。

その他、自治体によって必要書類が異なることがあります。

以上の必要書類を提出すると、数週間で「受給者証(自立支援医療受給者証)」が届きます。
なお、障害福祉サービスの「受給者証」というものも有名で良く混同されますが、別物です。

医療を受けるとき

受給者証を窓口に提示します。
自己負担額上限が定まっているときには、「自己負担上限管理票」も提示します。

有効期間

受給者証は1年間が有効期間です。
Ⅰ年ごとに、期限の3ヶ月前から更新することができます。

まとめ

高い保険料を払っているのだから、使える制度は使わない手はありません。
どんどん利用しましょう。

なお、自立支援医療の制度は3年ごとに見直されます。次の見直しは平成21年4月の予定です。

自立支援医療のよくある質問はこちらです。

参考になるサイト

障害者福祉
障害者福祉について紹介しています。

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