今週の発達障害関連ニュース(2017/12/31-2018/1/6)

発達障害に関係する今週のニュースをまとめました。

目次

障害者の視点に立った指標「ユニバーサルデザインリサーチ」開始

(株)日経リサーチが、企業の様々なサービスがどれほどユニバーサルデザイン(UD)を実現できているかの度合いを示す指標調査事業「ユニバーサルデザインリサーチ」を立ち上げました。

障害者や高齢者など全ての人にとってどの程度開かれたサービスであるかを、定量的に評価するものです。

障害者がミステリーショッパーとしてお店を訪れ覆面調査をしたり、当事者のインタビューを行うなどして調査するとのこと。

少し長いですが、「UDリサーチ」立ち上げの経緯を引用します。

2016年4月に「障害者差別解消法」が施行され、国の行政機関や地方公共団体および民間事業者には、障がい者に対する「不当な差別的取り扱いの禁止」が法的に義務付けられました。同時に、障がい者が社会の中のバリアを感じずに生活できるような「合理的配慮の提供」も国と地方自治体には法的義務、民間事業者には努力義務とされました。
さらに、2020年夏には東京でオリンピックとパラリンピックが開催されます。開催地である東京やその周辺地域には、海外から多数の外国人や障がい者が集まることが予想され、各種施設や設備、サービスなどの整備が必要となります。この時、重要になるのが、ユニバーサルデザイン(UD)の思想です。

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ページが存在しません。 | 日経リサーチ
日本経済新聞社グループの総合調査会社。新聞掲載の調査のほか、ブランド戦略、顧客・従業員満足度、コンプライアンスなど企業向け調査も多数実施。デジタルマーケティングなど新分野にも注力。海外調査実績はアジア新興国中心に50カ国以上。

限界集落に発達障害・元非行少年の居場所づくり 新潟

新潟県上越市にある約35世帯の集落。平均年齢は70を超えます。

この限界集落が元非行少年や引きこもり等の生きづらさを抱える若者を招いて、農業の担い手として迎え入れる取り組みが行われています。

当初は、村の治安を心配する村民から反対の声が強かったそうですが、最終的には雇用がきまったそう。

犯罪歴や非行歴がある人はなかなか勤め先が決まらず、生活苦から再犯に走る傾向が多いことを聞いた。小黒集落は担い手不足に悩んでおり、岩崎さんは「地域を守るためにも、農業でそうした人たちを受け入れたい」と考えた。
https://mainichi.jp/articles/20180106/ddl/k15/020/116000c

居場所のない人が望んで居着く場所になればよいのですが。誰も行きたがらない場所に、発達障害の人を押し込める強制にならないか、少しだけ心配です。

炎症性腸疾患(IBD)への配慮求め 教員向けのガイドブック作成 佐賀

IBDの患者会が教職員向けに「潰瘍性大腸炎」「クローン病」の冊子を作成しました。

きっかけとなったのは疾患への理解が無く高校を退学せざるを得なかった一人の生徒です。

クローン病は、急な腹痛や発熱などの体調の変化が一日のうちにも起こり、突発的にお手洗いに立つために教室の出入り口に席を配置するなど学校全体で取り組める工夫があります。
障害者差別解消法で求められる合理的配慮として、学校もこのような生徒への対応が求められています。

「病気や障害がある子どもたちも、等しく教育を受ける権利がある。配慮と言っても何をしていいか戸惑う学校現場に声が届くきっかけになれば」
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/165701

冊子はIBDネットワークのウェブサイトからダウンロードできます。http://www.ibdnetwork.org/

特別支援学級の生徒4倍に 栃木

栃木県内の公立小中学校のうち、特別支援学級に在籍する生徒の数がこの20年間で4倍に増えたことがわかりました。

特別支援学校の在籍数も過去最多、通常学級に在籍しながら通級指導を受ける生徒数も多くなっているそう。

「教育現場の意識も要因とみられている。現場では、通常の学級より通級指導、通級指導より特別支援学級へと児童生徒を移行させる構図があるという。」
http://www.shimotsuke.co.jp/category/life/welfare/medical/news/20171231/2921518

県教委は、発達障害への理解が進んだための増加であると説明します。ニーズに合った教育をということでしょう。

もっとも、特別学級か普通学級かの選択は、判断基準の不明瞭さ、恣意性があり問題です。

ニーズの程度を数値化できる身体障害や、療育手帳の有無が基準となる知的障害と異なり、発達障害の場合は対象者のバリエーションが広く、困難の度合いも外からはわかりにくいものです。

奥山佳恵さんのお子さんの学級選択が話題となっていましたが、奥山さんのように、「一旦選択して、合わなければかえる」という柔軟な対応が求められているのだと感じます。

ADHDは怪我をしやすいとの研究発表

スペインの研究者が、ADHDと怪我のリスクについての統計的な研究を発表しました。
発表媒体はNeuroscience and biobehavioral reviews誌オンライン版2017年11月21日号。

研究結果は、ADHD者は有意に怪我をしやすいというもの。

著者らは「ADHDは、意図しない怪我のリスク増加と有意に関連しており、自己制御研究によって示されるように、ADHD薬は、少なくとも短期間の保護効果を有する」としている。
 http://www.carenet.com/news/general/carenet/45273

 

LDでADHDでASDの漫画家 沖田×華さんインタビュー

看護師→風俗嬢→漫画家という異色の経歴を持つ沖田×華さんが、自らの発達障害について語るインタビューが週刊女性に掲載されています。

「看護師として地元の病院で働きだしたら、業務内容はわかるのに、“昨日のアレだけど”なんて会話の“アレ”がわからない。患者さんの顔も覚えられなくて、しょっちゅう間違える。」
http://www.jprime.jp/articles/-/10927

自らのご経験を漫画にして出版されています。

このタイトルいいなぁ。私も毎日やらかしてます!ってハイタッチしたい。

こちらは、産婦人科医の勤務時代の漫画。

 

発達障害のピアニスト 野田あすかさんとご両親インタビュー

金スマに出ていた方。不登校→ストレスから解離性障害を発症し、発達障害が発覚したのは22歳のことだったようです。

「私は発達障害だとわからないまま育ててもらって、苦しいことがいっぱいあったけど、でもそうやって育ててもらえたから、今みんなに幸せを届けられるのだと思います。
アドバイスじゃないけれど、今どんな感じでも『何かいいことがあるって、みんなに信じてほしい』って思っていつもピアノ弾いています。」

我が子が発達障害だったら…ピアニスト野田あすかさんと両親の35年 | 女子SPA!
発達障害のピアニスト、野田あすかさん。生まれてからずっと発達障害だと知らずに過ごしてきたために解離性障害を起こし、ご両親も対応に苦しんできた話を前回お伝えしました。22歳ではじめて発達障害だと診断さ…

 

この3月からは全国ツアーを開催するそうです。

作曲家のnaoさん(おかもとまりさんの夫)が発達障害を告白

ものまね芸人のおかもとまりさんがご自身のブログで、夫の発達障害について「さらっと」公表しました。

旅先で大げんか。んーわたしがまたかと頭くる感じ。
(略)
旦那は、昔から軽い発達障害(勉強や記憶力、音楽の才能はピカイチなのに、簡単なことができないの)。

だからこそ、スクショで情報おくったり、忘れん坊だから確認したりするんです。それなのに、こんな間違えをするとは。悲しいというか、しんどかった。
2018年は上手く発達障害と向き合おう。

https://ameblo.jp/mari-okamoto/entry-12341806409.html

 

これについて「そんなプライベートなことをさらすな」なんて批判が向けられているようです。

が、何その批判?

本人がいいって言ってるなら自分のことくらい自由に話させればいいじゃない。批判している人は、発達障害をなにかとんでもない不名誉だと勘違いしてるか、視界に入れたくないという差別意識を持っているのではないでしょうか。

おかもとさんも追加ブログで心境をこのように記しています。

「隠すことでもないし 悪いことでもない 何より 行動見ていたら、わかる人にはわかる」

本当です。

※このエントリは、発達障害関連のニュースを自動で収集してくれるRSSフィードという仕組みを使って書きました。
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