発達障害の同僚に困っている方へ、当事者が伝えたいこと

私はADHD当事者です。(正確にはADDとアスペルガー)

普通の学校を出て、会社に勤めた経験もあります。その経験から、職場の同僚がADHDやアスペルガーではないか?と考え、困っている方に、伝えたいことがあります。

悪意があると誤解しないでください

あなたは、職場で次のような経験をされたかもしれません。

  • 挨拶をしたのに無視された
  • 依頼したことをわざとしてこない
  • ランチに誘ったのに特に理由も無く断られた

こんな対応をされたら腹がたつこともあるでしょう。

「わざとやっているに違いない」、「私が気にくわないのか」と思ったかもしれません。

でも、その推測は間違っています。

発達障害者の言動を常識のモノサシで図ると間違える

発達障害者は、「普通の人」とは作りが違います。

感覚の鋭さや思考プロセスが全く異なるのです。新種の生き物だと思っても構いません。それくらい、前提となる身体感覚や文化が違うと考えた方がいい。

このように考えたことはありませんか?

「普通の人なら、挨拶したらにこやかに返事をするはず」→だから「挨拶したのに返事をしなかったのは、私を嫌いだからだ。」

しかし、これはあなたの誤解である可能性が高いです。

発達障害の人は作りが違うと言いました。先ほどの例で言えば、注意対象を急に切り替えることが苦手であるという特徴があります。急に話しかけられても聞き取れないことがあり、ときには難聴と勘違いされるほどなのです。参考記事>>>人の話が理解できないAPDとは?ADHDとの異同を調べていきます

この特徴を知っていれば、「あなたの同僚は、そもそもあなたの「挨拶」が聞こえていなかったのかもしれない」という可能性に気がつくでしょう。

「普通の人なら聞こえる声で話しかけたから、聞こえないはずがない」と考える方もいるでしょう。確かにその可能性もゼロではありませんが、本当にそうでしょうか?その考えは「普通の人ならこれくらいの声で話しかければ聞こえるはず」という考えを前提とするものです。その前提は当てはまりません。「普通の人ならこうするはず」という考えは捨てた方がいい。あなたの常識は通用しないのです。

「発達障害者の常識」を知ってもらえると嬉しい

具体的にはこんなことがあります。

  • あいまいな表現は分かりません。明確な表現で、量は数値で伝えてください。
    例)小さな声で喋って→声を半分の大きさにして
    例)適当にくつろいでいて→その椅子に座っていて
  • 物事の優先順位をつけることが苦手です。スーパーバイズしてくれるとありがたいです。
  • 表情から感情を読み取ることが苦手です。嫌がっているあなたの気持ちがわからず、喋りすぎてしまったり嫌なことをやってしまうことがあります。嫌なときは言葉で教えてください。
  • 短期記憶が弱く、ついうっかりが多いです。わざとやっていると誤解されると悲しいです。

発達障害者側から見た「あなた達」

発達障害者は、言葉の裏を読むことがとても苦手です。アイコンタクトや表情など、言葉以外のツールで重要な意思を伝えようとすることはあまりないと言っていいでしょう。

睨んだり(ノンバーバルコミュニケーション)、皮肉を言ったり(裏の意味がある言葉使い)しても、あなたの意図は伝わりません。

往々にして、誤解されているらしいことには気づきます。ですが、どのように誤解されているのか、自分のどの行動・言葉が良くなかったのかは分かりません。それをはっきり伝えてくれればいいのにとも思っています。

発達障害者は、ストレートな人間が多いです。言外に嫌がらせをしたり、人を出し抜こうとすることなど「普通の人」より圧倒的に少ない。誤解されていることに一人で傷ついています。

単刀直入に、「あなたのこの行動・この言葉のせいで傷ついた」と伝えてください。

誤解されることには慣れていますから、そう伝えても、あなたを逆恨みしたりすることは(絶対とは言い切れませんが)ありません。

参考

※この記事は15分間で書く「ノンストップライティング」の方法で執筆しました。詳細はこちら>>>「伝え方の訓練にノンストップライティングをやってみた」

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