カナダの児童精神学の雑誌に、ADHDと双極性障害の違いってどういうところに現れる?ってなことを扱う論文があったので紹介します。
双極性障害とは
双極性障害は、精神疾患の中でも気分障害と分類されている疾患のひとつです。 うつ状態だけが起こる病気を「うつ病」といいますが、このうつ病とほとんど同じうつ状態に加え、うつ状態とは対極の躁状態も現れ、これらをくりかえす、慢性の病気です。
ADHDとは
注意欠陥多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は、ADHD
と表記されることもあります。注意持続の欠如もしくは、その子どもの年齢や発達レベルに見合わない多動性や衝動性、あるいはその両方が特徴です。
参照元(厚労省のサイトには定義が載っていないのですね・・・。)
ADHDと双極性障害の共通点
ともに実行機能や認知に障害があって、集中できなかったり、記憶力に問題があったり、感情のコントロールができない問題があるということです。
ADHDと双極性障害の微妙な違い
さて今日の本題、両者の違いを見分けることをテーマとした論文です。
アレッサンドラ・パサロッティ博士チームの「Differences in Real World Executive Function between Children with Pediatric Bipolar Disorder and Children with ADHD」。ここで見られます。
調査方法
双極性障害の子ども16人、ADHDの子ども17人、両者を併発している子ども13人を対象に、注意力、ワーキングメモリー、認知の柔軟性を調べました。
両親も協力し、子どもの行動や実行機能について情報を提供したそうです。
その結果、明らかになったのは次のような違いがあるということでした。
双極性障害を持つ子どもの特徴
「感情のコントロール」と「クリティカルシンキング」が特に難しい。
感情コントロールのきかなさから、周囲の状況に対して過剰反応してしまったり、感情を理解したりすることが苦手だったりする。
さらに、注意を一つの物事から別の物事にシフトすることがとても苦手だった。
ADHDを持つ子どもの特徴
記憶力、計画性・秩序づけることが特に困難だった。
記憶力の問題のために、「今必要な情報はなにか」を見つけることが苦手。
計画性のなさは、目標を立てて遂行したり、アイディアや情報を関連づけて整理することの苦手さにつながる。
というものでした。
感想
よく分かります・・・。「目標を立てて遂行する」ということがものすごく苦手。
気分の波はありますが、「感情コントロールのきかなさから周囲に過剰反応」をすることはほとんど無いと思います。
やはり自分はADHDなんだなと再確認しました。
目標達成型の人間に憧れます。
おまけ
ところで、「クリティカルシンキング」という言葉がでてきますが、みなさんご存じでしたか?私は恥ずかしながらよく分からなかったので調べてみました。
批判的思考(ひはんてきしこう)またクリティカル・シンキング(英: critical thinking[1])とは、あらゆる物事の問題を特定して、適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法である。
Leftonは批判的思考を「証拠を評価し、選択肢を検討し、結果を査定し、結論が意味があるかを決定すること」からなりたっているとした。
事実を理解して、認識した事実を適切に関連づけて、結論を出す力ということのようです。
つまり、たくさんの物事を秩序づけて、その中でも大事なことを見極める能力ということでしょう。優先順位付けといってもいいですね。
掃除の最中に取り出したアルバムに見入ってしまって夜が更けるADHD的な特徴は、クリティカルシンキングが欠けていると表現すればよいのでしょうか。ちょっとかっこいい。
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